東福寺と「長浦」考

 当寺の山門には、「長浦山」という山号額が掲げられています。
 山号は、隋・唐の時代に中国で、同名の他の寺院と区別するために、その寺院が存在する地域の名を冠して呼ばれたのが始まりです。山号には地名のほか仏教用語をつける場合もあります。たとえば、東福寺は全国に百ヶ寺以上あり、臨済宗建長寺派では、当長浦山東福寺と、静岡県西伊豆町に照嶺山東福寺の二ヵ寺があります。
 それでは、「長浦」という地名について、ひも解いてみましょう。
 明治初期に編纂された『皇国地誌』(『神奈川県皇国地誌残稿上巻』 昭和38年3月)に



とあり、天正年間(1573年~1592年)に、浦の郷が浦郷村・田浦村・長浦村という三つの村になり今に続いているといいます。


相州三浦郡長浦村絵図『田浦をあるく』より作成

天保12 (1841) 年の相州三浦郡長浦村絵図(=写真上)に、現在の田浦一丁目・田浦港町の一部・長浦一〜五丁目・箱崎町が長浦村の村域として描かれています。箱崎半島の先端に近いところに「元長浦」という字名が見えます。明治39年の地図(=写真下左)では、現在の長浦五丁目のところに「本長浦」の文字が見えます。


『今昔マップ on the web』より作成

 「浦」とは、海・湖などが湾曲して、陸地に入りこんだところをいい、長い浦から長浦という呼び名ができたと考えられます。「長浦」の地の眼前には長く入り込んだ入り江・湾があり「長浦村」の由来となったと考えられ、地域の寺院として、「長浦」が東福寺の山号に選ばれたものと思われます。


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臨済宗建長寺派 長浦山 東福寺
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