東福寺「過去帳」の再生と、開創年度
−次世代への遺産として−

東福寺住職 田部井 祖行

 令和四年の新春を迎え、檀信徒の皆さまには、ご清祥のことと拝察申し上げます。
 私が東福寺に入寺し、法務を執るにつれ、大きな疑問がわきました。「過去帳」と「当山の開創年」の問題です。
 当時、東福寺には大正時代からの過去帳が三冊あるだけでした。そこで、当山の本寺である追浜の自得寺住職さんに相談したところ、「自得寺にある」とのことでしたので、江戸・明治時代の過去帳をお借りし、コピーしました。この過去帳には、四ヵ寺の過去帳が混じっていましたので、「長浦」の地名がある戒名・俗名・没年月日・没年齢・続柄を整理しておきました。
 この度、「過去帳」再生を行う専門会社(株)イシダ様の協力により令和三年六月二十八日に完成・納品され、住職としての永年の思いが達成されました。文書化された戒名数は、千九百五霊 (元和六(1620)年〜昭和)となりました。


念願の東福寺過去帳が完成いたしました。
お寺が保存しておりました記録、田部井住職が関係先を調査し集めたものにより、
檀家の皆様のご先祖様が『過去帳』に集められました。

 また、当山の開創年度の問題は、『東福寺だより』第14号(平成三十年六月一日発行)/当サイトの歴史で論じたように、天文年間(1532年〜1554年)と、享禄年間(1528年〜1532年)の二説がありますが、結論として、「本山である建長寺が発行した『建長寺末寺編』を尊重し、天文年間としたく思います。しかし、新たに古文書が発見され、その年号が正しいと判断されたならば、その説に従いたいと思います。」としました。



 ここに一枚の古文書のコピーがあります。(=写真上) この文書は、東福寺第十三世住職宗俊が本山建長寺に提出した、東福寺の署名・押印のある宗俊和尚の僧歴が書かれたものです。この書面に「創立享禄年中干支月不詳」と書かれています。享禄説の有力な書面と思います。
 このように、過去帳の文書化、一枚の書面が後世の人々の遺産となることを念願いたします。



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