筆塚建立のきっかけと思い
−「花まつり」と「筆供養」について−

東福寺住職 田部井 祖行


 「花まつり」は、平成四年に私が入寺して以来、仏教の開祖でありますお釈迦様の誕生をお祝いする、おまつりの法事として行っています。
 また、「筆供養」は、書家※1岡部蒼風先生の七回忌法要の日に建立された『筆塚』にて、親族・書道関係者などにより初めて行われました。

 この『筆塚』のきっかけは、いつだったか、兄と私で岡部先生(先生は私の叔父ですが、子どものころより“岡部先生”と呼んでいました)のお宅にお伺いした時に、 先生より「死んだらおまえの寺の世話になるから」と言われ、お墓のデザインなどの相談をしました。 あわせて、「おまえのお寺に何か奉納したいが」と問い、『筆塚』の話が出ましたが、詳しいことは決まりませんでした。 その後、先生は病気となり他界されました。他界されたのち、生前の岡部先生の意を受け、親族の※2森金郎氏をはじめ関係者の協力により『筆塚』が建立され、東福寺に奉納されました。

 先生は「筆は、身体の一部だ」と言っていました。ですから、命が尽きた筆を供養することは人の葬儀と同様に大切であり、必要なことと思っています。
また、お寺にとって「筆供養」の法要を行えることは、大変に意義のあることです。
 皆様に広く参加いただければ幸いです。


※1岡部蒼風(1910-2001)書家 住職田部井祖行氏の叔父。
群馬県邑楽町出身。群馬師範学校卒。「現代書道の父」と呼ばれる比田井天来に師事。
昭和27年「草人社」を結成し書の革新運動を進める。昭和36年草人社を離脱。
既成書壇との決別を宣言し、新人の研修機関「グループ蒼狼」(昭和41年「蒼狼社」に改組)を設立。
昭和59年、書・陶芸・絵画・彫刻・版画・七宝などの作家と「沙鶏会」を設立。
芸術としての「書」を追求し続けた。
平成13年死去。享年91歳。

※2森金郎 岡部蒼風氏の妻の弟 熊谷市在住



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